単純疱疹（ヘルペス）

一般皮膚科

SCROLL

単純疱疹とは

単純疱疹ウイルス（HSV）の1型(HSV-1)または2型(HSV-2)が皮膚や粘膜に感染することで起こります。
HSVには初感染と再活性化があり、初感染は2日～1週間の潜伏期の後、感染部位にピリピリ、チクチクするような痛みを伴う水ぶくれを生じ、5~10日で乾燥してかさぶたになります。
HSVは初感染の後、ウイルスが体内から消えることなく神経細胞に潜伏しつづけ、体力の消耗、免疫力低下、紫外線、過労、心身のストレスなどが誘因になって再活性化し、症状が出ます。症状の出る頻度は数年に１回という方から1年に数回出るという方までさまざまです。初めて症状が出る時には、水ぶくれがたくさんできることがあります。再発の場合には水ぶくれは少なくなり、症状が出る範囲も狭くなります。
口唇ヘルペス、性器ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎、ヘルペス性ひょう疽などがあります。

単純疱疹の治療法

抗ヘルペスウイルス薬の飲み薬や塗り薬

ウイルスの増殖を抑える抗ヘルペスウイルス薬の飲み薬や塗り薬を使います。
この薬はウイルスが増殖しているときに効果を発揮するので、症状が出たら、できるかぎり早く使い始めることが重要です。薬を使用することで、症状を軽減し、治癒までの期間を短くすることができます。
体に潜伏中のウイルスを追い出す薬は、現在のところありません。症状が出てきたら、できるだけ早く受診しましょう。
また、症状が出てきた早い段階ですぐに治療を始められるように、あらかじめ飲み薬を処方できる場合があります。再発を何度も繰り返している方は、ご相談ください。

日常生活における注意点

症状が出ていない時の注意点

栄養のバランスがとれた食事と十分な睡眠、適度な運動により、疲れやストレスをためないようにしましょう。
疲れている時や体調がすぐれない時は、強い紫外線を浴びる屋外でのレジャーは控えましょう。
症状が出ている時の注意点

かさぶたは取らないようにしましょう。
人にうつさないように、水ぶくれに触れたら石鹸を使って手をきれいに洗いましょう。
タオルやコップは共用しないようにしましょう。
赤ちゃんとの接触はできるだけ避けましょう。赤ちゃんはウイルスに感染すると重い症状を起こす恐れがあります。赤ちゃんのお世話をするときは手をきれいに洗いましょう。
また、患部が赤ちゃんに接触しないように注意が必要です。
患部を清潔に保つため、症状が出ている時も石鹸や洗顔料をよく泡立てて、やさしく洗いましょう。
保湿剤などを用いたスキンケアや化粧をする場合には、刺激になる可能性があるので、患部は避けて行いましょう。